片かづら(『泣菫詩抄』収録)

薄田泣菫

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相見そめしは初夏の 空も夢みる御生の日、 冠にかけしもろかづら、 記念にこそは分ちしか。 後の逢瀬はいつはとて、 泣き濡れぬ日もなかりしを、 はては召されて天つ女の 空のあなたに往きましぬ。 いかに記念の葵ぐさ、 のこる桂は乾からびぬ さこそ心も青枯れて、 「追懷」のみぞ香ににほふ。

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