江ばやし

薄田泣菫

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しろがねの角がむり、 あえかなる月しろや、 眼ざしは、天つ阿摩の 慈悲とこそ滴れ。 水錆の香くゆる夜を、 江林のたたずまひ、 さびしらや、齋居精進、 木木の息しのびに。 蝙蝠はうつぼ樹に、 膜か味甞むる。 妖惑の羽搏絶えて、 しめらへる樹間や。 葉のひと片つぶやき、 ふた片またささやぐ。 ありし日の榮や、さこそ 鷺脚に落つらし。 あな解脱、――さばかりの 嚴の夜の氣深さに、 ともすれば、女が吐息の なよびこそ仄見れ。

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