涙の門をゆきすぎて
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涙の門をゆきすぎて、
わが家居こそそこにあれ、
『笑ひ』の花も、『嘆かひ』の
垂り葉も生ひぬ夕庭は、
橡色の被衣して、
墳墓の如しめやぎぬ。
涙の門をゆきすぎて、
そこに『沈默』の樹こそあれ、
しろがねの葉のした蔭に、
『思慧』の木の實を採り食みて、
生は榛實の虚の實の
『寂み』をのみ味ひぬ。
涙の門をゆきすぎて、
神こそ坐せれ、古御達、
天つ御宣の老舌に、
ひと日は、知らずつらかりし、
さあれ、風雅に數奇なりし
運命神をこそは忍びしか。
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