玉腕

薄田泣菫

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朝明、一群鱗しろく 淺瀬に走せ散る鮎と見えて、 まとへる綾羅色をわかみ、 透きても見ゆるや玉の腕、 葉がくれ木の實を摘みなましと、 人目をおもはず手をさしのべ、 袖口こぼれしはなやかさに、 垣間見とれしを誰と知るや。 夕空虹の環横にきりて、 遠雲がくれにわたる鳥の 身がろき翼も捨てなましや、 眞玉をのべたるかの腕に、 物もひ煩らふ額をよせて、 樂しき夢路をたどりえなば。

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