夕とどろき

薄田泣菫

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一 新月さしぬ、物の香の ほのかに薫る五月野に、 夢かのわたり、都邊の 夕とどろきに聞きとれぬ。 二 甞ては、吾もなよびかの あえかの人と相知りて、 世にうつくしき事榮の あまた夜にこそ醉ひにしか。 三 日は徃き消えつ。今もはた かすかに殘るおもひでの、 何とは知らず、夕ごゑを 吾かのさまにさしぐみぬ。

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