花の教
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心をとめて窺へば花自ら教あり。
朝露の野薔薇のいへる、
「艶なりや、われらの姿、
刺に生ふる色香とも知れ。」
麥生のひまに罌粟のいふ、
「せめては紅きはしも見よ、
そばめられたる身なれども、
驗ある露の藥水を
盛りさゝげたる盃ぞ。」
この時、百合は追風に、
「見よ、人、われは言葉なく
法を説くなり。」
みづからなせる葉陰より、
聲もかすかに菫草、
「人はあだなる香をきけど、
われらの示す教曉らじ。」
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