延びあくびせよ
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延びあくびせよ、傍に「命」は倦みぬ、
――朝明より夕をかけて熟睡する
その﨟たげさ勞らしさ、
ねむり眼のうまし「命」や。
起きいでよ、呼ばゝりて、過ぎ行く夢は
大影の奧にかくれつ。
今にして躊躇なさば、
ゆく末に何の導ぞ。
呼ばゝりて過ぎ行く夢は
去りぬ神祕に。
いでたちの旅路の糧を手握りて、
歩もいとゞ速まさる
愛の一念ましぐらに、
急げ、とく行け、
呼ばゝりて、過ぎ行く夢は、
夢は、また歸り來なくに。
進めよ、走せよ、物陰に、
畏をなすか、深淵に、
あな、急げ……あゝ遲れたり。
はしけやし「命」は愛に熟睡して、
栲綱の白腕になれを卷く。
――噫遲れたり、呼ばゝりて過ぎ行く夢の
いましめもあだなりけりな。
ゆきずりに、夢は嘲る……
さるからに、
むしろ「命」に口觸れて
これに生ませよ、藝術を。
無言を祷るかの夢の
教をきかで、無邊なる神に憧るる事なくば、
たちかへり、色よき「命」かき抱き、
なれが刹那を長久にせよ。
死の憂愁に歡樂に
靈妙音を生ませなば、
なが亡き後に殘りゐて、
はた、さゞめかむ、はた、なかむ、
うれしの森に、春風や
若緑、
去年を繰返の愛のまねぎに。
さればぞ歌へ微笑の榮の光に。
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