告別式

山之口貘

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金ばかりを借りて 歩き廻っているうちに ぼくはある日 死んでしまったのだ 奴もとうとう死んでしまったのかと 人々はそう言いながら 煙を立てに来て 次々に合掌してはぼくの前を立ち去った こうしてあの世に来てみると そこにはぼくの長男がいて むくれた顔して待っているのだ なにをそんなにむっとしているのだときくと お盆になっても家からの ごちそうがなかったとすねているのだ ぼくはぼくのこの長男の 頭をなでてやったのだが 仏になったものまでも 金のかかることをほしがるのかとおもうと 地球の上で生きるのとおなじみたいで あの世も  この世もないみたいなのだ

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