食ひそこなつた僕

山之口貘

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僕は 何を食ひそこなつたのか! 親兄弟を食ひつぶしたのである 女を食ひ倒したのである 僕をまるのみしたのである どうせ生きたい僕なんだから何を食つても生きるんだが 食へば何を食つても足りないのか いまでは空に脊を向けて 物理の世界に住んでゐる 泥にまみれた地球をかじつてゐる 地球を食つても足りなくなつたらそのときは 風や年の類でもなめながら ひとり 宇宙に居のこるつもりでゐるんだよ

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