日曜日

山之口貘

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鼻の尖端が淡紅色に腫れてゐる 血液が不純なのか! 鼻が崩れ落ちたら 死んでしまふより外にはないとおもふんだが 僕には女がある 女はあちらの景色に見とれてゐる 子を産むことが一番きらひと言つてゐる さうして一番すきなのは 洋裝だとのことなんだが 僕は女に所望した 鼻が落ちても一緒に歩かうよ けれども女は立ち止まつた 僕も立ち止まつたのであるが ここには鼻が聳えてゐるだけなんだらうか そこに立ち塞がつて かなしくふくれあがつた膨大な鼻である ああ なんといふ日曜日なのであらうか 既に黄昏れて 鼻の此方 戀愛のあたりは未練を灯してゐる

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