処女詩集

山之口貘

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「思弁の苑」というのが ぼくのはじめての詩集なのだ その「思弁の苑」を出したとき 女房の前もかまわずに こえはりあげて ぼくは泣いたのだ あれからすでに十五、六年も経ったろうか このごろになってはまたそろそろ 詩集を出したくなったと 女房に話しかけてみたところ あのときのことをおぼえていやがって 詩集を出したら また泣きなと来たのだ

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