大儀

山之口貘

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躓いたら轉んでゐたいのである する話も咽喉の都合で話してゐたいのである また 久し振りの友人でも短か振りの友人でも誰とでも 逢へば直ぐに さよならを先に言ふて置きたいのである あるひは 食べたその後は 口も拭かないでぼんやりとしてゐたいのである すべて おもふだけですませて 頭からふとんを被つて沈澱してゐたいのである 言ひかへると 空でも被つて 側には海でもひろげて置いて 人生か何かを尻に敷いて 膝頭を抱いてその上に顎をのせて背中をまるめてゐたいのである

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