旅にして

横瀬夜雨

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山秀でたる吾妻路の 平野の水をあつめ來て 南に落つる利根川の 浪は寂に翻るかな 行くともわかぬ白雲の かゝりて長き眞砂地や 蘆邊に立ちて眺むれば 浪逆の浦は雨晴れて 日光あまねき湖の上を 遙に渡る尾長鳥 ま白き翼は搖かさで 鳴く音は空の秋の風 鏡に映ふ花ならば 異なる影にも慰まむ 思へば旅の果にして 新たに戀ふる人は無きを 蝦捕り舟の漕ぎなづむ 八十の水門はへだつれど 霧に浮べる月波根の 眉なす根ろは北に在り   ~~~~~~~

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