古巣より
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空の嵐よ、呼ぶ勿れ、
山を傾け、野を砕き、
所定めず行くことは
地に住むわれに堪へ難し。
野の花の香よ、呼ぶ勿れ、
若し花の香となるならば
われは刹那を香らせて
やがて跡なく消えはてん。
木の間の鳥よ、呼ぶ勿れ、
汝れは固より羽ありて
枝より枝に遊びつつ、
花より花に歌ふなり。
すべての物よ、呼ぶ勿れ、
われは変らぬ囁きを
乏しき声にくり返し
初恋の巣にとどまりぬ。
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