田舎の春

与謝野晶子

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正月元日、里ずまひ、 喜びありて眺むれば、 まだ木枯はをりをりに 向ひの丘を過ぎながら 高い鼓弓を鳴らせども、 軒端の日ざし温かに、 ちらり、ほらりと梅が咲く。 上には晴れた空の色、 濃いお納戸の支那繻子に、 光、光と云ふ文字を 銀糸で置いた繍の袖、 春が著て来た上衣をば 枝に掛けたか、打香り、 ちらり、ほらりと梅が咲く。

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