十一月

与謝野晶子

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昨日も今日も曇つてゐる 銀灰色の空、冷たい空、 雲の彼方では もう霰の用意が出来て居よう。 どの木も涙つぽく、 たより無げに、 黄なる葉を疎らに余して、 小心に静まりかへつてゐる。 みんな敗残の人のやうだ。 小鳥までが臆病に、 過敏になつて、 ちよいとした風にも、あたふたと、 うら枯れた茂みへ潜り込む。 ああ十一月、 季節の喪だ、 冬の墓地の白い門が目に浮ぶ。 公園の噴水よ、 せめてお前でも歌へばいいのに、 狐色の落葉の沈んだ池へ さかさまに大理石の身を投げて、 お前が第一に感激を無くしてゐる。

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