紅梅
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おお、ひと枝の
花屋の荷のうへの
紅梅の花、
薄暗い長屋の隅で
ポウブルな母と娘が
つぎ貼りした障子の中の
冬の明りに、
うつむいて言葉すくなく、
わづかな帛片と
糊と、鋏と、木の枝と、
青ざめた指とを用ひて、
手細工に造つた花と云はうか。
いぢらしい花よ、
涙と人工との
羽二重の赤玉を綴つた花よ、
わたしは悲しい程そなたを好く。
なぜと云ふなら、
そなたの中に私がある、
私の中にそなたがある。
そなたと私とは
厳寒と北風とに曝されて、
あの三月に先だち、
怖る怖る笑つてゐる。
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