〔無題〕(『晶子詩篇全集拾遺』収録・同題第27篇)

与謝野晶子

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

若い娘の言ふことに、 「別れを述べる時が来た。 美くしい花、にほふ花。 わたしの無垢な日送りに さびしい友であつた花。 今日までわたしを慰めた やさしい花のかずかずに、 別れを述べる時が来た。 花の神様、いざさらば。 わたしは愛の神様に 手をば執られて参りましよ。」 若い娘の言ふことに、 「別れを述べる時が来た。 美くしい花、にほふ花。 弥生に代る初夏の、 青い海から吹いて来る 五月の風に似た男、 若い、やさしい、あたたかな、 生々としたあの男、 すべての花に打勝つて、 その目にわたしを引附けた。 男の中の花男。」 若い娘の言ふことに、 「別れを述べる時が来た。 美くしい花、にほふ花。 おお、その上に、よい声で、 いつもわたしを呼び慣れた 赤い小鳥よ、そなたにも、 別れを述べる時が来た。 どれどれ籠から放しましよ。 済まないながら、今日からは、 燃えた、やさしいくちびるの外に聞きたい声もない。」

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。

まだ解釈・感想はありません。

〔無題〕の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

〔無題〕に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる