〔無題〕(『晶子詩篇全集拾遺』収録・同題第46篇)

与謝野晶子

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夜は美くし、安し、 人を脅かす太陽は隠れて、 星ある空は親しげに垂れ下り、 地は紫の気に満つ。 神秘と薄明の中に我等を据ゑて、 微風のもと、 夜は花の香に濡れたる その髪を振り乱す。 夜は美くし、安し、 今こそ小き我等も 一つの恋と一つの歌をもて 無限の世界に融け入るなれ。

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