〔無題〕(『晶子詩篇全集拾遺』収録・同題第72篇)

与謝野晶子

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障害物を越ゆる 騎馬の人の写真より、 我目は青磁の皿なる レモンの黄に移り行き、 ふと、次の間の 鳩の時計の呼ぶに、 やがて心は 碓氷の峰の頂 冬枯の落葉松に眺め入り、 浅間より浮び来る 白き雲に乗りつつ、 高く高く遊ぶ。

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