西部利亜所見

与謝野晶子

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

汽車は吼ゆ。 されどシベリヤの 雪と氷の原を行く汽車は 胴体こそ巨大の象のやうなれ、 この怪獣は石炭の餌を与へられず、 薪のみを食らへば、 吼ゆる声の力無く、 のろのろと膝行りゆく。 露西亜文字を読み得ざれば、 今停まれるは何と云ふ駅か知らず。 荒野の中の小き停車場に 人の乗降も無く、 落葉したる白楊の木 其処此処に聳えて、 灰色の低き空の下 五月の風猶雪を散らせり。 汽笛の叫びに引かれて、 男、女、子供、 すべて靴を穿かぬ シベリヤの農民等は 手に手に、大なる雁を、 鶏を、牛乳を捧げて、 汽車の窓に馳せ寄り、 かしましく買へと云ひぬ。

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

西部利亜所見の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

西部利亜所見に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる