男の胸
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名工のきたへし刀
一尺に満たぬ短き、
するどさを我は思ひぬ。
あるときは異国人の
三角の尖あるメスを
われ得まく切に願ひぬ。
いと憎き男の胸に
利き白刄あてなん刹那、
たらたらと我袖にさへ
指にさへ散るべき、紅き
血を思ひ、我れほくそ笑み、
こころよく身さへ慄ふよ。
その時か、にくき男の
云ひがたき心宥さめ。
しかは云へ、突かんとすなる
その胸に、夜としなれば、
額よせて、いとうら安の
夢に入る人も我なり。
男はた、いとしとばかり
その胸に我れかき抱き、
眠ること未だ忘れず。
その胸を今日は仮さずと
たはぶれに云ふことあらば、
我れ如何に佗しからまし。
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