曙光

与謝野晶子

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今、暁の 太陽の会釈に、 金色の笑ひ 天の隅隅に降り注ぐ。 彼れは目覚めたり、 光る鶴嘴 幅びろき胸、 うしろに靡く 空色の髪、 わが青年は 悠揚として立ち上がる。 裸体なる彼れが 冒険の旅は 太陽のみ知りて、 空より見て羨めり。 青年の行手には、 蒼茫たる 無辺の大地、 その上に、遥かに長く 濃き紫の一線 縦に、前へ、 路の如く横たはるは、 唯だ、彼れの歩み行く 孤独の影のみ。 今、暁の 太陽のみ 光の手を伸べて 彼れを見送る。

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