大震後第一春の歌
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おお大地震と猛火、
その急激な襲来にも
我我は堪へた。
一難また一難、
何んでも来よ、
それを踏み越えて行く用意が
しかと何時でもある。
大自然のあきめくら、
見くびつてくれるな、
人間には備はつてゐる、
刹那に永遠を見通す目、
それから、上下左右へ
即座に方向転移の出来る
飛躍自在の魂。
おお此の魂である、
鋼の質を持つた種子、
火の中からでも芽をふくものは。
おお此の魂である、
天の日、太洋の浪、
それと共に若やかに
燃え上がり躍り上がるのは。
我我は「無用」を破壊して進む。
見よ、大自然の暴威も
時に我我の助手を勤める。
我我は「必要」を創造して進む。
見よ、溌溂たる素朴と
未曾有の喜びの
精神と様式とが前に現れる。
誰も昨日に囚はれるな、
我我の生活のみづみづしい絵を
塗りの剥げた額縁に入れるな。
手は断えず一から図を引け、
トタンと荒木の柱との間に、
汗と破格の歌とを以て
かんかんと槌の音を響かせよ。
法外な幻想に、
愛と、真実と、労働と、
科学とを織り交ぜよ。
古臭い優美と泣虫とを捨てよ、
歴史的哲学と、資本主義と、
性別と、階級別とを超えた所に、
我我は皆自己を試さう。
新しく生きる者に
日は常に元日、
時は常に春。
百の禍も何ぞ、
千の戦で勝たう。
おお窓毎に裸の太陽、
軒毎に雪の解けるしづく。
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