手の上の花

与謝野晶子

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鴨頭草の花、手に載せて 見れば涼しい空色の 花の瞳がさし覗く、 わたしの胸の寂しさを。 鴨頭草の花、空色の 花の瞳のうるむのは、 暗い心を見透して、 わたしのために歎くのか。 鴨頭草の花、しばらくは 手にした花を捨てかねる。 土となるべき友ながら、 我も惜めば花も惜し。 鴨頭草の花、夜となれば、 ほんにそなたは星の花、 わたしの指を枝として しづかに銀の火を点す。

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