POE に獻ず(十一月)

福士幸次郎

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Leave my loneliness unbroken! “Raven”――E. A. Poe 密生林の眞白い閃めき 歩めば、歩むほど林の落葉を―― 佇みめぐる晝中の思ひ…… 一歩に一字の意味を探し おち散る落葉の陰にも瞳を見出す時 晴れた十一月の空―― それにも優る感情の平明をおもふ あはれこの詩は此處にも抱かれ 眞面目に色褪めた墓原を過る時 嵐のやうに渦卷いた生涯を 冷い眼で射返す――吾等! 『鴉』が翼を慄した Never more は 石に滲む冬の日の涙 君の苦熱におくれた吾等は 晴れた雪を渡る風の音! ……………………… ……空しく吾等は凍り果て、た! この慄ひ動く唇から―― 「ピストルで 此の腦髓を貫いてくれ」 と言つた君の最後の詩を 封ずる事を……  記憶と沈默 おお神よ、汝は吾が愛を傷つけたまへり ポオル・ヴエルレエヌ『智慧』 明治四十三年作

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