二つの世界
本文の表示
色あかき世界のなかに
うららにも小鳥さへづり、
色白き世界のなかに
ものにぶき駱駝は坐る。
ものにぶき駱駝の見るは
白き砂、白き思の星、
えもわかぬ髑髏のなげき、
ピラミドのたそがれの色
うららなる小鳥のうたは
また遠く、ひと世へだてて
脳の内、もだえの熱に、
謔言のかずかずうたふ。
かなたには隊商の鈴、
こなたにはあかきさへづり。
今日もまた境し立てる
スフインクスひとりしづかに。
スフインクス、恐怖の沈黙、
そが胸の象形文字の
謎も、あな、半しろく、
はた赤く、聴耳澄ます。
あはれ、いま、白き世界の
ゆふまぐれ。しかはあれども
色あかき世界の真昼。
スフインクス、こころは惑ふ。
四十一年八月
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
二つの世界の談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
二つの世界に寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。