おだやかな冬
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枯れはてて、おだやかな眺めの冬、
柔かな日あたりの冬、
冬はまだ渓の向うにある。
あの老いた胡桃のこずゑにある。
よく光る白樺の枝枝にある。
枯山と枯野と、
ところどころの沢水と、
いまだに深くはぬくもらぬが、
なにかに酔はせるものがある。
安らかないい収まりが。
かうした一日をわたしは持つ、
こころよい疲れ、
旅のおこたり、
棄てはてて、ほうとしたこころ。――
そのうちに春も来やうよ。
よい空気だ。
よい光線だ。
わたしは足をさすつてゐる。
縁側で膝をたたいてゐる。
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