初冬のわかれ
本文の表示
冷えてあかるき園の中、
ただに噴水ぞゆらぐなる。
夏の記憶のなほ白き
楕円の、菱の花畑
なべてすがれて日も入りぬ。
けふの小径にわかるれば
紅さるびあの花老けし、
あとに陋しく笑ふなり、
色情狂の前髪の
花かんざしを見るごとく。
枯れくさの香に、夜のかげに
弱き児猫も匍ひめぐる。
すべて死したる同胞の
耳のあたりに目をよせて
鳴くもさみしや、針芝に。
冷えてあかるき園の中
空に噴水ぞゆらぐなる。
白雪のごと、玻璃のごと、
君が消えたる襟巻の
鳥の羽よりなほ白く。
四十四年十一月
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
初冬のわかれの談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
初冬のわかれに寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。
まだ解釈・感想はありません。
ログインすると解釈・感想を書けます。