村酒雜詠
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日もくれぬ
日も暮れぬ己が盞を
みたせただ餘はそらごとぞ
己が詩をみづからうたへ
月やがて松にかからん
盞は
盞はちひさけれども
ただたのむ夕べの友ぞ
おほかたはひとをたばかる
世にありてせんすべしらに
爐に臥して
爐に臥して憂ひをいだく
肱枕さむきをのべて
ありなしとしたむ盞
鳥よりもくしきこゑしぬ
月山の
月山の端をいでたれば
われもまた廬をいでぬ
人の子のおろかを笑へ
かなたにも友はすまぬを
いささかの
いささかの酒にまぎれて
あてどなく渡る橋かな
あかあかと灯はともれども
人けなき河尻の驛
帽をうつ
帽をうつ霰の音や
望の月やがてかげなし
潮ざゐはかのはるかにて
ただ明し波止の燈臺
死後の名は
死後の名はとにもあるべし
一盞の酒にもしかず
わが師かくのらしたまひぬ
われは師の言にしたがふ
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