わが手いま
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わが手いま
乙女子の
肩にあり
竈を出でしパンの香の
新らしき朝の上に
わが手はしばしおかれたり
いま君のふかき呼吸は
あたたかき衣の肩をうごかして
君の見る彼方の海はしづかなり
乙女子よ
何ごとを君は思ふや
われはそを問はんと欲りす友ならず
わが皺だみし手をしばし
しばしなほときの間を
かぐはしき朝の上にあらしめよ
老いたる者は心ながし
その心藕の絲のすゑつひに煙となりて消ゆるごと
説きて語らんすべもなし
乙女子よ海にむかひて
かすかなる歌もうたはでいま君の
もだしたるこそめでたきに――
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