永久の友

室生犀星

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自分は初めて彼女に逢ふことが出来た 君はしみ入るやうな透明な 美しい悲哀に充ちた目をして 僕の前に立ちあいさつをした 僕は僕の考へてゐたとほりの その容貌をもつてゐた彼女を見て 僕は自分の予言や自信を喜しく感じた この人に逢ふために僕は永い間苦しんだ 求めあがいた幸福と安息との一切が 此の中に充ちあふれることをかんじた 僕の生涯をゆだねるに足る その一切が潜在してゐて 僕の掘るがままに芽を生してゐた 僕はどうか永久の友となつてくれるやうに 僕の生涯を温めてくれるやうにたのんだ 君と僕とはてがみを交して 永い間お互ひの高さや深さを知り合つた 君はいつの間にか根強く 僕の中に存在してゐたのだ 君の中に僕はその根を下ろし初めたのだ 魂ある感動は言葉となつたり 吐息になつたりして 僕の心と君の心とにゆきゆきした ふたりの自由は叫び合つた 火をちらした ああ 僕はこの人を友に得て この世に出てゆかれる日があるならば 僕は鷲のやうなつばさを得るだらう 全世界のあらゆる美しい瞬間を集めて 心跳つて喜びに震撼するだらう あやふやなものを吹き飛ばすだらう 砂塵をあげて歌ふだらう

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