街と家家との遠方

室生犀星

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この菜の畑も 畑土の盛り上つた心持をも いまはこれまでにない親密さをもつて 眺めることが出来る 一直線に走つた菜の畑は ところどころに冬枯れの 寂しさを点綴してゐる ごほごほいふ小川の水 これは又生れて初めて聞く小川の音だ この正しい流れやうは! どこまでも流れてつきない 此の微妙さはどうだ いつまでも無限に くさむらを分けてゆく 微笑のやうな優しく秀れたるもの おれは噎んで喜ぶ これらのものを今こそ解りかけたことを喜ぶ

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