鷲の詩
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自分はまだ愛を受けない
自分はまだ触手されたことがない
自分は正当に万人とともに孤独だ
自分は庭へ出て
草花に水をやつたり
柿の木の下に椅子を置いたり
そこに座して風をきいたり
高い空を眺めたりしてゐる
自分が草花に水をやるとき
自分は新らしいものらの 光の
自分の心にのりうつることを知る
凜然とした
あれらのよき匂ひと姿勢とは
僕のゆがんだところを正しくする
僕の心をいとやさしくする
こなれて僕の英気となるのだ
僕を活溌にするものだ
僕の顔いろをよくしてくれるものだ
毎日毎日鷲のやうな孤独を感じ
鷲のやうに凡てから離れ住んで
いま此等の正しきものらに触手する
しみじみ讃嘆する
自分はいまの年齢によつて初めて
草木の値を知るのだ
自分の知らなければならないものらは
この世にどれだけ多くあることだらう
あせりにあせり
いま此処を通る
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