銀の足鐶

大手拓次

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   ――死人の家をよみて―― 囚徒らの足にはまばゆい銀のくさりがついてゐる。 そのくさりの鐶は しづかにけむる如く 呼吸をよび 嘆息をうながし、 力をはらむ鳥の翅のやうにささやきを起して、 これら 憂愁にとざされた囚徒らのうへに光をなげる。 くらく いんうつに見える囚徒らの日常のくさむらをうごかすものは、 その、感触のなつかしく 強靱なる銀の足鐶である。 死滅のほそい途に心を向ける これらバラツクのなかの人人は おそろしい空想家である。 彼等は精彩ある巣をつくり、雛をつくり、 海をわたつてとびゆく候鳥である。

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