ひろがる肉体
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わたしのこゑはほら貝のやうにとほくひろがる。
わたしはじぶんの腹をおさへてどしどしとあるくと、
日光は緋のきれのやうにとびちり、
空気はあをい胎壁の息のやうに泡をわきたたせる。
山や河や丘や野や、すべてひとつのけものとなつてわたしにつきしたがふ。
わたしの足は土となつてひろがり
わたしのからだは香となつてひろがる。
いろいろの法規は屑肉のやうにわたしのゑさとなる。
かくして、わたしはだんまりのほら貝のうちにかくれる。
つんぼの月、めくらの月、
わたしはまだ滅しつくさなかつた。
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