死は羽団扇のやうに
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この夜の もうろうとした
みえざる さつさつとした雨のあしのゆくへに、
わたしは おとろへくづれる肉身の
あまい怖ろしさをおぼえる。
この のぞみのない恋の毒草の火に
心のほのほは 日に日にもえつくされ、
よろこばしい死は
にほひのやうに その透明なすがたをほのめかす。
ああ ゆたかな 波のやうにそよめいてゐる やすらかな死よ、
なにごともなく しづかに わたしのそばへ やつてきてくれ。
いまは もう なつかしい死のおとづれは
羽団扇のやうにあたたかく わたしのうしろに ゆらめいてゐる。
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