朱の揺椅子

大手拓次

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岡をのぼる人よ、 野をたどる人よ、 さてはまた、とびらをとぼとぼとたたく人よ 春のひかりがゆれてくるではないか。 わたしたちふたりは 朱と金との揺椅子のうへに身をのせて、 このベエルのやうな氛気とともに、かろくかろくゆれてみよう、 あの温室にさくふうりん草のくびのやうに。

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