この非情なる寂寥こそ
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村の高みへ思ひもえつつ歩み出ながら
あたりの大氣と景觀にみつしりとうちしめり
曇り來れる四月の色と影をいつぱいにして
はるかな村村の山から來る風と寂寥とに
思ふさまただひとり吹かれぬく事は
目に見える感じをとらへる以上に強い
このあたりから吹き起る名もない寂寥こそ
西風がもてる地球のかすかな薫りであり
又われわれの思ひと官能を洗ひきよめる
生の極彩色の空中からの
神神しい情熱のもつとも深い幽麗な影と
かるい愛情にぬれて村村へくる
水よりも直接でうつくしい生の瀧である
われわれはこの力と清きつめたさのために
われわれの惱みと切ない腐りを裁りさり
雨で洗つた枝枝のやうに勢ひをもりかへし
又われわれの生む事の出來ない自然の健康慾を
しばらくでも身に飾り波うたせ
時間が畫く未來の美しい一角へすすみ入り
一歩一歩生の色どりを深め得るにちがひない。
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