(『自分は見た』収録・同題第2篇)

千家元麿

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

朝だ。 重々しいものを優しく包んだやうな莊嚴な朝だ。 自分は山の上にでも居る樣に、 心は輕く歩いてゆく。體はそれに從つてゆく。 一日一日春らしく温くなる水蒸氣に包まれ 樹々はうねりを生じ輕快に高く空に立ち上り 靜かに道の上に枝を垂らして居る。 まるで空中から舞ひ下りた天使のやうだ。 このうねりの春らしい美くしさ、朝らしい靜かな喜び、 空は光りをはらんで霞んで居る。 眠りから覺めた許りの地面は しつとりと汗を掻いてゐた。 人通りは未だすくない。 空に消えてゆく水蒸氣の中から雄大な景色が目ざめ だん/\遠くの方がはつきりして そこから人が現はれて來る。人數も殖えて來る この大きな朝の世界に比べれば、 可笑しいほど小さい人間が 鳥のやうに、思ひ/\の方向へ歩いて居る 自分は擴大され、變化された 大きな祝福に滿ちた朝景色の中を 面白く嬉々として歩いてゆく。 (一九一八、三、使命所載)

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。

まだ批評・講評はありません。

朝の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

朝に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる