雀
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親鳥が巣にかへる時
待ち受けた小さい雛は黄い口を裂ける程開いて
夢かと許りに喜んで啼き、その喜びに死んでもいゝと喜んで啼き、
あらゆる感動の階音を刻んで啼き
全身を緊張させ、ふるはせ、未だ飛べない羽を空に向つて擴げ、
感謝と喜びを示し
親鳥から餌を與へて貰はうとする、
もどかし相なその姿は實に親しげだ。實に優しい
その急がしい窒息する樣な聲も、
その待ち切れないで落着かぬ氣の狂ひ相な身ぶりも、
嬉しさに千切れるほどふるふ羽も
小さい全身に滿ちる喜びを有り餘る程現はし、
親しさをこぼし、然し餘り小さく、
あゝ餘りに小さくて
その生きようとする樣は、人に哀れを起さしめる。
(一九一六、七、一五)
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