秋懷

薄田泣菫

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山、森、畑、寺、遠き牧場、 落つる日、ゆく雲、歸る樵夫、 いと似つかはしき色を帶びて、 ゆふべの心に溶けぞあへる。 たとしへもあらぬ靜こころの かすけき響を胸につたへ、 わが歌ごころぞ温めましと、 田の畔蹈みきて草に伏しぬ。 若し夜の幕の落ちむ迄も、 歌もあらでここに迷ひ居らば、 げに言ふがひなき才ならめど、 さもあらばあれや、この夕の えならぬ氣持にひたり得つる 思ひだにあらば、歌はなくも‥‥。

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