鷦鷯の歌
本文の表示
吹革祭の日は寒く、
鍛冶が妻ぞ唯ひとり、
ひねもす窓に居凭る時、
軒端づたひにこそつきて、
掛菜をそそる音きけば、
鷦鷯來と知られけり。
樵夫の娘爪先を
爐にあたたむる雪の朝、
いきふく聲を洩れ聞きて、
情郎こそ呼べと駈けいでて、
あはれや軒に立ちくらし、
凍えて泣きし談あり。
今朝しも山に分け入りて、
谷の小蔭に唯一羽、
鋭き嘴に萱さきて、
巣をあむ振を認めしが、
かへりて妹にささやくに、
なほわが聲をはばかりぬ。
なう鷦鷯木づたひに
ひとり興がる歌きけば、
夏の日なかの野の鳥の
誇る羽振も忘れはて、
簑蟲啄みて飛びてゆく
汝が姿をぞ愛でしるる。
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
鷦鷯の歌の談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
鷦鷯の歌に寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。