畏怖
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北に面へるわが畏怖の原の上に、
牧羊の翁、神樂月角を吹く。
物憂き羊小舍のかどに、すぐだちて、
災殃のごと、死の羊群を誘ふ。
きし方の悔をもて築きたる此小舍は
かぎりもなき、わが憂愁の邦に在りて、
ゆく水のながれ薄荷莢蒾におほはれ、
いざよひの波も重きか、蜘手に澱む。
肩に赤十字ある墨染の小羊よ、
色もの凄き羊群も長棹の鞭に
撻れて歸る、たづたづし、罪のねりあし。
疾風に歌ふ牧羊の翁、神樂月よ、
今、わが頭掠めし稻妻の光に
この夕おどろおどろしきわが命かな。
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