襤褸は寢てゐる

山之口貘

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野良犬・野良猫・古下駄どもの 入れかはり立ちかはる 夜の底 まひるの空から舞ひ降りて 襤褸は寢てゐる 夜の底 見れば見るほどひろがるやうひらたくなつて地球を抱いてゐる 襤褸は寢てゐる 鼾が光る うるさい光 眩しい鼾 やがてそこいらぢゆうに眼がひらく 小石・紙屑・吸殼たち・神や佛の紳士も起きあがる 襤褸は寢てゐる夜の底 空にはいつぱい浮世の花 大きな米粒ばかりの白い花

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