血
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斉藤さんは発音した
だんだんだんということを
たんたんだんだんと発音した
それは矢張りのやはりのことを
それはやぱりと発音した
学校のことを
かっこう
下駄のことを
けたと発音した
こんな調子で斉藤さんはまずその
ごじぶんの名前の斉藤を
さいどうですと発音した
争えないのは血なのであるが
かなしいまでに生々と
大陸
大海
大空はむろん
たったひとりの人間の舌の端っこでも
血らは既に血を争っていた
斉藤さんは誰に訊かれても決して
ごじぶんの生れた国を言わなかった
言うには言うが
眉間のあたりに皺などよせて
九州です と発音した
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