第一印象

山之口貘

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魚のやうな眼である 肩は少し張つてゐる 言葉づかひは半分男に似てゐる 歩き方が男のやうだと自分でも言ひ出した ところが娘よ 男であらうが構ふもんか 金屬的にひびくその性格の音が良いんぢやないか その動作に艶があつて良いんぢやないか さう思ひながら ひたひにお天氣をかんじながら僕は歸つて來る 僕は兩手をうしろにつつぱつて僕の胴體を支へてゐる 僕は縁の日向に足を投げ出してゐる 足の甲に蠅がとまる 蠅 蠅の背中に娘の顏がとまつてゐる

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