無題
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むろん理由はあるにはあつたがそれはとにかくとして
人々が僕を嫌ひ出したやうなので僕はおとなしく嫌はれてやるのである
嫌はれてやりながらもいくぶんははづかしいので
つい 僕は生きようかと思ひ立つたのである
煖房屋になつたのである
萬力臺がある 鐵管がある
韛もある チェントンもある ネヂ切り機械もある
重量ばかりの重なり合つた仕事場である
いよいよ僕は生きるのであらうか!
鐵管をかつぐと僕のなかにはぷちぷち鳴る脊骨がある
力を絞ると涙が出るのである
ヴイバーで鐵管にネヂを切るからであらうか
僕の心理のなかには慣性の法則がひそんでゐるかのやうに
なにもかにもネヂを切つてやりたくなるのである
目につく物はなんでも一度はかついでみたくなるのである
つひに僕は 僕の體重までもかついでしまつたのであらうか
夜を掴んで引つ張り寄せたいのである
そのねむりのなかへ體重を放り出したいのである
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