島からの風
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そんなわけでいまとなっては
生きていることが不思議なのだと
島からの客はそう言って
戦争当時の身の上の話を結んだ
ところで島はこのごろ
どんなふうなのだときくと
どんなふうもなにも
異民族の軍政下にある島なのだ
息を喘いでいることに変りはないのだが
とにかく物資は島に溢れていて
贅沢品でも日常の必需品でも
輸入品でもないものはないのであって
花や林檎やうなぎまでが
飛行機を乗り廻し
空から来るのだと言う
客はそこでポケットに手をいれたのだが
これはしかし沖縄の産だと
たばこを一個ぽんと寄越した
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