森の家なる
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母が乳房の珠ならで
許されざりし唇は
巖が根纏ふ山百合の
皎き花にも觸れずして
二歳まさりの姉君は
月圓なる春の夜を
栗毛の駒に鞍おきて
森の館に嫁ぎけり
鶉隱れし叢に
卵探すと掌を
茨にひきさく野人の
われは雄々しき兒なりしか
寂しさ知りて麥笛を
霞の丘に鳴らせども
美し人は青麥の
青きを分けてあらはれず
水涸々の石川に
秋は肥たる鮠の子を
小笹に貫きてさげかへるも
匂へる眉は戸に見えで
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